小林しげき活動レポートvol.193
小林しげき活動レポートvol.193 令和5年8月21日(月)
【環境副大臣として1年】
環境副大臣兼内閣府副大臣に任命されてから、1年が経過しました。
菅義偉内閣で国交政務官を経験しましたが、やはり副大臣は仕事の重さが違います。環境省の所管業務は、自然環境から廃棄物まで幅広く、大臣の代理業務が毎日のように発生します。代表的な2つは、全国の首長からご要望をお聞きすること、そして国会答弁です。
ご要望で多いのは廃棄物処理施設(いわゆるゴミ焼却炉)に対する財政支援です。補助率の高い「脱炭素先行地域」の指定に関する質問も多数ありました。毎週月曜日に奈良新聞に掲載される「週間報告」に時々【環境省レク】とあるのは、国会における答弁を職員と一緒になって考える仕事です。政府の公式見解ですから、間違いは許されません。秘書が数えたところ、この1年の国会答弁は27回だったそうです。
8月中旬、福島県会津地方に行って参りました。言うまでもなく、福島復興の最前線は「双葉町・大熊町」を中心とする福島県東部の浜通りなのですが、今回は西部地域の内陸部に伺いました。2011年、原発事故を機にふるさとを離れた方々に帰還頂くことが復興の第一歩です。同時に、原発の影響を間接的に受けた地域を応援することも重要です。生産、物流の低迷や観光の落ち込みという状況に陥っています。環境省としては「磐梯朝日国立公園」の魅力向上に取り組みます。
磐梯山は大変珍しい爆裂火口を有する山です。1888(明治21)年の噴火で岩なだれが発生、川がせき止められ300もの湖沼が形成されました。まだまだ知らない自然公園が沢山あると実感しました。環境省は先日、国立公園内でのホテル誘致を発表しました。既に磐梯山には「国民休暇村」があります。ワーケーションは新型コロナ禍を契機に始まった新しい仕事のスタイルです。
福島県の皆様に寄り添い誠心誠意、仕事をして参りました。福島県の持つ観光資源をこの目で確認できました。積極的に知らない村や町を訪ねる。同じくこの姿勢でこれからも奈良の観光政策づくりに力を注いで参ります。
「ピンチをチャンスに、少子化を見据えた高等教育の再建を」
大学に進学する18歳人口は2017年で120万人を数えましたが、今後は急激な減少が続き、2032年に100万人を割ると推計されています。これにより、地方の国立大学の中には学生の減少で存続の危機に立たされるところが出るとみられています。奈良県の現状はと言いますと、県外大学への進学率が8割を超えるなど、若者の流出は深刻です。これでは、企業誘致や観光産業の振興などで、工場立地件数が全国9位にまで躍進したことに対応する人材が不足するという事態になっています。これは本当にもったいないことです。
こうした中、令和3年の通常国会において、国立の奈良教育大学と奈良女子大学の統合を含む国立大学法人法の一部改正案が可決・成立しました。これにより、両校は法人としての奈良教育大学を奈良女子大学に統合する形で昨年4月、国立大学法人奈良国立大学機構を発足させることができました。
法人統合は少子化が進む中、大学の競争力を強化し、経営効率を高めるのにとどまらず、更なる発展を見据えたものです。将来、奈良先端科学技術大学院大学、奈良工業高等専門学校、奈良文化財研究所、奈良国立博物館の国立4機関と連携し、教育研究の場である「奈良カレッジズ」を構築する構想があります。
これらの取り組みは、理工系の進学先の創出によって良質な人材を育成することで、多様な雇用の場を創出する大きな取り組みです。学研都市としての利点・特性を活かし、即戦力となる工学系・科学系のプロフェッショナル人材の育成に努めます。その一方で、大学に経済原理のみを求めることは国の文化力強化の上で決して有効とはいえません。大学は知識の源泉にして文明の基礎とも言えます。これまで等閑視されがちだった文化・芸術、歴史や思想など人文科学系の研究環境の整備も同時に推進する必要があります。
私は、少子化という危機を逆に国立の研究機関の統合によって地方大学が魅力を高める大きな機会捉え、地方における学知の再建を強力に進める覚悟です。